【セッションレポート】 AWS活用ですすむ地方/中小企業のゲームチェンジ 【#AWSDevDay】

【セッションレポート】 AWS活用ですすむ地方/中小企業のゲームチェンジ 【#AWSDevDay】

Clock Icon2019.10.04

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

本記事はDevDay Day2のセッションレポートとなります。
資料についてもすでに公開済みですので合わせてそちらもご確認ください。

セッション概要

地方特有の課題は都会とは異なった点が多くある。
それらの課題を技術的にどのように解決してたかとその事例を紹介する。

登壇者

立花 拓也 様(株式会社ヘプタゴン)

会社について

  • AWSを活用した専門知識を持った人でしか解決できない課題を解決する
  • コミュニティファーストな世界で知識を深めることとイノベーションを起こすためのつながりの構築
  • 東北の企業やサービスがAWSを意識せずにAWSのメリットを享受できるようにする
    • 「顔を知らない100万人の幸せよりも自分たちの身近な100人をテクノロジーで幸せに」が理念
    • 「田舎専業のCIer/MSP」として働いているをしている

地方や中小企業案件の特徴

  • 予算が少ないがアクセス数自体もそこまで多くはない
    • それでもサーバのダウンは許容できない
  • IT担当者が部署にいない
    • ITに関する知識が十分にない
    • ニュースなどで伝聞した知識を元にセキュリティなどに対して漠然と不安を抱えてしまう
  • そのためコストやトラフィックといった部分は都会や大企業と大きく異なるが、インフラに求めるクオリティは同等のものとなる

Web案件の特徴と事例

  • レンタルサーバやVPSからAWSへの移行が多い
    • セキュリティや費用といった何かしらの問題を抱えている場合が非常に多い
    • そのためAWSが要件として必要になることが出てきた
  • 予算があまり潤沢ではない
    • コストと相談してシングルAZ構成を組む場合もある

チャンレンジドジャパン様の事例

  • 自社サイトやオウンメディアをレンタルサーバで運用していた
    • 時間帯によっては多く負荷がかかりレスポンスが遅くなるという問題を抱えていた
  • サーバを全てAWSに移行することを決定した
    • コンテンツやアプリ側の改修なしにレスポンスが十分に改善した

ZAI CO.,LTD.様の事例

  • VPSでWebメディアを運用していたがインフラ担当者がいない状態だった
    • 高負荷発生時や障害発生時、またセキュリティインシデントが発生した時に対象ができないという問題を抱えていた
  • AWSへの移行とヘプタゴン社のフルマネージドサービスを活用することを決定した
    • WordPressを使用したサービスだったため、AMIMOTO AMIの活用によるチューニング
    • クライアントがコンテンツ制作に注力できるようになりかつ、インフラをプロに任せることでの高速かつ安定した配信を実現

TESS様の事例

  • マーケティングに注力しているためテレビや新聞といったマスメディアへの露出が多かった
  • 新製品の発表に合わせてWebサイトをAWS上に構築することを決定した
    • EC2のt3系インスタンスのみでWebサイトの構築
    • 静的コンテンツが多かったためCDNとしてCloudFlareを使用
      • トラフィックをCDNにオフロードすることができEC2インスタンスへの負荷を少なくできた
      • 無料枠があることへの安心感があった
    • メディア露出などでアクセス増加が予測できる場合はダウンタイムを許容してインスタンスサイズを一時的に大きくした

サーバレス案件の特徴と事例について

  • 新規事業や新規サービスなどでスモールスタートをしたい
  • 固定費を少なくしたい
  • 数年前から案件自体は増えている

Makoto様の事例

  • 不定期に手作業で行われていた社内統計システムの構築
    • 今までがGUI上で手作業で行なっていた
    • 不定期なためEC2を常に起動するなど固定費がかさむ方法は取りたくなかった
  • 実行した分のみ課金が発生するサーバレス構成にすることを決定
    • S3のPutEventsをトリガーとしてLambdaを発火するようなシステムを構成
      • オペレータがマネジメントコンソールからS3に対してファイルをアップロードしたら動作する
    • Lambdaでの処理が終わったらSNS + SESを経由してメールを送信して通知を行う
      • オペレータがS3からファイルをダウンロードしてシステム側での操作が終了する
      • UIの開発必要もなく非常にシンプルな構成のため開発費を抑えることができた
      • 維持費も構成からわかるように非常に安くでき、高くても数百円程度に抑えることができた

テクノサポートカンパニー様の事例

  • ホテルに滞在する環境客向けに観光情報を提供するサービスの構築
    • 新機能でどのくらい使われる見込みかが予測できないためスモールスタートをしたかった
  • API GWとLambda、DynamoDB、S3でサーバレスで構築
    • ホテルに配置しているタブレットから観光情報をAPI GWにリクエストする
      • 観光情報を持ってる外部APIをLambdaからコールして情報を取得する
      • 情報を元に外部APIをコールして多言語に翻訳する
        • AWS Translateは開発当時なかったためこのような構成になっている
      • 外部APIを毎回コールしないために一度取得したデータはDynamoDBに保存してキャッシュとして利用
    • ホテルのタブレット以外からでも観光情報を閲覧できるようにする
      • DynamoDBのデータを元にLambdaでHTMLファイルを生成してS3に保存する
      • S3をウェブサイトホスティングして公開する

IoT、機械学習案件の特徴と事例について

  • ここ最近非常に増えてきている
  • IT企業ではなく、非IT企業の全社的なプロジェクトっとして相談される
  • 介護、工場、農業、漁業などといった労働集約型の作業効率化のために導入する

デイサービスふくろう様の事例

  • 小規模なアットホームなデイサービス
  • 定期的に利用者に1人1人のアルバムを作成している
    • イベントでどこにいったかの写真を使って作っている
    • アルバム作成時は1000枚ほどある大量の写真を手作業で振り分けており、本業である介護への集中ができないときがあった
  • 写真の振り分け作業の自動化を決定した
    • Rekognitionを使用して写真の振り分けを実施
    • 100枚くらいの写真であれば数秒、1000枚くらいの写真であっても1分くらいで処理が完了できた
      • 事前にRekognitionに利用者の顔の登録を行う必要がある
      • Rekognitionと並列でLambdaが動いているため高速に実現できる
    • S3に画像を保存するとPut Evenetsでサービスが動くように設定している
    • 本業である介護に割く時間を増やすことができた

大青工業様の事例

  • 業務用冷蔵庫メーカーとして全国に納品している
    • 冷蔵庫のため不具合がありお客様から連絡がある頃には商品劣化などの大きな問題になっていることが多かった
    • 故障と異常の検知が会社側で行うことができず、お客様からの連絡で気づくことが多かった
  • 故障と検知にいち早く気づき、対応できるようなアーキテクチャの構築を決定した
    • SageMakerを使用した異常検知できるアーキテクチャの構築
    • 冷蔵設備のセンサデータをFirehose経由でS3に投入する
    • S3に保存したデータを加工してSageMakerで学習させる
    • 異常を検知しても、対応までに2~3日の猶予があるため推論はリアルタイムで行わず、バッチ処理で実現
    • リモートからでも状態の可視化ができるようにした
    • お客様より先に故障に気づき連絡できるようになった
    • 製品価値の向上や、巡回してのメンテナンスコストの削減
    • クレームの原因となっていた故障が事前連絡できるようになりお客様にとっても喜ばしいイベントになった

地方や中小企業案件でAWSを使うメリット

  • 安定のインフラ/セキュリティ/サポート体制
  • t2/t3インスタンスタイプやサーバレス構成でのスモールスタート
  • バックアップや冗長構成も予算に合わせてカスタマイズできる
  • 最新のテクノロジーやエコシステムの恩恵を受けることができる

一方で担当者がITに詳しくないためエンジニアが現場に関してもっと知る必要がある。
すなわち地方には地方なりのAWSの使い方がある。

地方や中小企業案件でAIやIoTを活用する意義

  • 今現在AIの活用は著しい進歩が出ている
  • 地方は人口減少や高齢化、情報リテラシー不足などを抱えている
    • クラウドやAI、IoTを活用することでこれらの課題解決に繋がる可能性がある
  • 地方の問題は日本に限った話ではない
    • 日本や東京での活用事例ではなく、地方の活用事例を聞きたいという声は海外でも上がっている
    • 実際に登壇者の立花様は海外での登壇依頼を受けている
    • 外でも都会ではクラウドが活用されているが、地方では活用しきれていないという同じような状況になっている
    • 現実世界に対するAIの活用は著しい進歩がある
    • こういった課題は東京を経由せずに海外の課題を打破するきっかけになる
    • AWSのパワーをこれらに活かすことは十分に可能である

会場でのQA

  • Q. 非IT企業からの相談などがあるそうだが、クラウドに対してお客様はどのような不安を感じているか。またそれをどのように解消しているか
    • A. 今の所紹介でしか案件を受けていないので信頼関係を十分に結べている状態で案件を受注しているのでクラウドに関しては一任されているのでそいった問題には当たっていない
    • A. だがそういった不安感を払拭するための啓蒙活動の重要性は認識している

資料

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.